INORIBI 

2025 岩田仏壇製作所

本紫檀をベースとすることを特徴とする伝統工芸、東京仏壇。

「祈りの時間以外が圧倒的に長い」という時間軸に着目して、お祈りをしていないときのあり方を提案。現代のインテリア空間との新しい調和の仕方をデザイン。

「二面性」

仏壇でありながらも、心を癒す「ムードライト」として現代のインテリアと調和するようデザイン。祈らないときは扉を閉じたムードライトのような姿になり、格子扉から優しく溢れる光が、祀る思いを日常生活に自然に溶け込ませてくれ、開けば伝統的な仏壇の姿に変わる。扉を閉じると、おりんや線香などすべてが内部に収まるよう設計し、更に正面だけでなく側面にまで格子を回すことで、完全に新しい存在感へと変貌する。

「ほど良いつながり」

ご先祖様との新しい距離感に着目したデザイン。単に扉を閉じてしまうと暗闇の中に閉じ込め、見たくないものを隠すようで罪悪感を感じるのではないか。そこで、すだれや日本建築の玄関の引き戸や障子をヒントに、閉じているのに少し向こうの存在を感じたり、空気が通る日本らしい曖昧さを参考に、「格子」をデザインに採用。閉じていても、常に私たちからも、ご先祖様からも、格子からの空気や光を通じて程よく繋がっていることを実感できる。

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